ニュージーランドの地方都市で、手に入らない「日本の味」を育てるストーリー
- キオラ!ロトルア
- 17 時間前
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ニュージーランドの地方都市、ロトルアで暮らしていると、ふと日本の味が恋しくなる瞬間があります。
今回の主役は「納豆」と「日本のカブ」。
簡単に手に入らないからこそ生まれる、我が家の食卓のちょっとしたストーリーをお届けします。
ロトルアの納豆事情と、さらにレアな「日本のカブ」
「あ〜、納豆が食べたいーー!」
そう思っても、ここはニュージーランドのロトルア。
地元の大手スーパーに行っても、納豆は売っていません。
アジア系のミニマートへ行けば見つかることもありますが、日本なら100円ちょっとで買えるものが、こちらではなんと約500円。
隣町の中華系スーパーまで遠出すれば少し安くなりますが、それでも380円ほどします。

どうしても食べたいのでこの価格でも買いますが、手軽に買えるお値段ではありません。
ただ、納豆は「高いけれど、売っているだけまだマシ」とも言えます。
本当に手に入らないのが、日本の「白くて丸いカブ」です。
こちらで手に入る西洋種のカブ(Turnip)は、基本的に水分が少なめで、繊維質がしっかりしていて硬いのが特徴。
じっくり煮込んだり、ローストしたり、マッシュポテトのように潰してバターと合わせる「加熱調理」が前提の野菜です。
私が食べたいのは、あの柔らかくて甘みのある「日本のカブ」。
しかし、地元のスーパーの陳列棚に並ぶことはありません。
幸いタネは手に入るので、自分で育てることにしました。

初心者にも優しい家庭菜園でカブを選ぶメリット
カブは、家庭菜園の初心者にとっても育てやすい優秀な野菜です。
カブの種は発芽率が高く、蒔けば元気に芽を出してくれます。
冬野菜として大根も栽培していますが、カブはとにかく成長が早い。
収穫までにかかる時間は、大根の半分以下です。
アブラナ科なので「虫がつきやすい」という注意点はありますが、栽培するのは主に気温が下がる(=虫が少なくなる)季節。
栽培期間自体が短いので、病害虫に悩まされる期間も短く、初心者向きだと実感しています。
うちは主にレイズベッドで栽培していますが、スペースの追加としてプランターでも育てています。


大根のように地中深くへ長く伸びる野菜ではないので、土の層がそこまで深くなくても大丈夫。
こうして栽培方法を柔軟に選べるのも、カブ栽培の大きな魅力ですね。
収穫、そして食卓を彩る「名脇役」の料理たち
丸々と大きく育ったカブを、いよいよ収穫です!

自分で育てたカブは、色々な料理に変身します。
食卓の「主役」にはなりませんが、どんな味付けにも寄り添ってくれる「名脇役」として重宝しています。
それではカブを使った6つのカブ料理をご紹介します。
1. 旨味をたっぷり吸い込んだ「ポトフ」

他の野菜やソーセージから出た旨味スープを、カブが吸い込んで、甘みが増しています。
箸で簡単に崩れるほどクタクタに柔らかく、口に入れると、ほとんど噛まなくてもいいくらい滑らかな舌触りになります。
2. 出汁と繊細な甘みが調和する「そぼろあんかけ」

先ほどの洋風から、一転してこちらはほっとする和風の食べ方。
カブは大根よりもアクが少なく雑味がないため、出汁の風味とカブ本来の繊細な甘みが調和します。
片栗粉の「あん」がひき肉の旨味をしっかり抱え込んで、カブにとろりと絡みつきます。
口に入れた瞬間の、カブの「ジュワッ・とろっ」とした食感と、あんの「トロリ」とした質感が重なります。
3. 食感を楽しむ「カブとベーコンの炒め物」

煮物とはまた違う美味しさを引き出せるのが炒め物です。
強めの熱でさっと炒めることで、カブの外側は少し香ばしく、中心には適度な水分と「シャキシャキ」とした歯ごたえが残ります。
味付けはシンプルに塩・コショウ(または醤油を数滴)だけでも、ベーコンの旨味ある脂がカブに回ることで、深みのある味わいに仕上がります。
4.目でも舌でも楽しめる「カブの海老詰めあんかけ」

真ん中に詰められたエビは、ぷりっとした弾力があり、噛むほどにエビ特有の甘みと濃厚な旨味が広がります。
和風出汁ベースのとろみがあることで、口当たりをまろやかに、温かく、じんわりとした美味しさを引き立ててくれます。
5.さっぱりと味わえる「カブの浅漬け」

噛むと口の中に水分がじゅわっと広がる、シャキシャキとした瑞々しい歯ごたえ。
シンプルに一番美味しく感じるのは、やはり浅漬けです。
6.お酒のおつまみにもぴったりな「カブの葉とハムの和風炒め」

カブの葉に含まれるβ-カロテンは根の100倍以上。
「脂溶性(油に溶けやすい)」のため、油と一緒に調理すると吸収率がグンとアップします。
カブの葉特有のほんのりとしたほろ苦さが、ハムの脂っぽさをさっぱりと引き締めてくれます。
カブは捨てるところがない優秀な野菜です。
「少し不便な環境」がくれる、日常のストーリー
簡単に手に入るものには、なかなか「物語(ストーリー)」が生まれません。
しかし、ニュージーランドで食べる納豆のように、
わざわざ遠くのアジアンマーケットまで足を運ぶ
ちょっと高いお金を払う
「ついに手に入れた!」という期待感を持って食卓に並べる
というプロセス(不便さや障壁)を経ることで、ただの食品が「特別な体験」へと昇華します。
人間は、結果そのものよりも、そこに到達するまでのプロセスや希少性にこそ価値を感じる生き物なのかもしれません。
自分で育てるカブも同様で、口に入るまでには納豆よりもさらに多くの時間と手間がかかっています。
制限のある環境だからこそ、手元にある一つの納豆、一つのカブを、「ありがたみを感じて心から味わう」という姿勢が生まれるのだと思います。
ニュージーランドに来て、日々の小さなことに幸せを感じることが多くなったのは、この「少し不便な環境」のおかげかもしれません。
人それぞれだとは思いますが、私にとっては、この「簡単に手に入らないストーリー」が楽しく感じられます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。







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