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羊の国のイメージがあるニュージーランド。でも実は牛の国といっても過言ではないくらい酪農が盛んです。NZが酪農大国となった背景や農家の経営努力について簡単にまとめてみました。
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乳牛といえば白黒のホルスタイン種が有名で体重は平均650kg(軽自動車並み)の重さがありますがNZのホルスタインは470kgほど。独自に品種改良されコンパクトな分、飼育しやすくメンテナンス費用を抑えられます。また胴長短足で強靭な足をもつ体型は広い牧草地を歩き回れるメリットもあります。

NZ独自の品種改良

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NZの乳牛は広大な牧場に放牧され自然に育った牧草を食べて育ちます。放牧では糞尿処理の手間(人件費)や処理機の導入・維持コストを削減することができ、また大きな牛舎(設備投資)も必要ありません。配合飼料は補助的に与えるのみのため価格が上がってもコストの増加は限定的です。

低コストの理由

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牧場主になるには広い牧場が必要ですが多くの若者にとっては資金が足りませんがNZには「シェアミルカー」というシステムがあります。高齢になったオーナー経営者から若い酪農家が土地を借り牧場の作業を代行する報酬として、経営者と合意した比率(シェア)で農場収入を受取る仕組みです。

若者に夢を与えるシステム

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茶色で愛らしいジャージー種も多く飼育されています(全体の約12%)。

ホルスタインと比べるとさらに小型(体重350〜400kg)で取れる乳量は1/3ほど少なくなります。一方で脂肪分が多く含まれ「バター牛」なんて別名があるほどです。NZは世界最大のバター輸出国でジャージーはその重要な役割を担う乳牛なのです。

別名はバター牛

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日本では政府から農家への助成金がありますが、NZにはそうした手厚い経済支援はありません。一見経営が大変になりそうに思えますが、それが酪農家のコスト意識を高める結果につながっています。NZの酪農は世界で最も低コスト(効率性が高い)と言われ他国と比べて収益性は高いのが特徴です。

農家の意識が高収益を生む

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シェアミルカーは歩合制であることから若い酪農家は技術を向上させることで生産性を上げ、コストを厳しく管理します。また、より高い報酬比率を得る場合は牧場の運営費用の一部を負担したり牛の群れや酪農機器を所有しなければならないなど、若い酪農家にも一定の責任を負う必要があります。

やる気次第で収入UP

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乳量が多いホルスタインと乳脂肪が多いジャージー。NZではこの2種を掛け合わせた交雑種(キウイクロス)が最も多い割合(45%)を占めています。ホルスタインとジャージーの長所を備えていることから生産量と収益性が向上します。また繁殖能力が高まり寿命が長くなるというメリットもあります。

メリットが多い交雑種

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酪農従事者の収入は平均以上の水準でNZで酪農といえば魅力のある職業です。平均年間給与(2022年)はアシスタントや群れの管理を任せられる人で5.5〜6.7万ドル(500〜600万円)、農場全体やオペレーションを管理する人だと8.3〜10.3万ドル(750〜930万円)。牧場のオーナーになるとさらに上を目指せます。

酪農は魅力的な職業

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小資本でスタートし技術や経験、資金等を蓄えながらステップアップしてやがて牧場オーナーとなる。そして高齢になれば新たな参入者に牧場を貸しだす。NZの酪農はローコスト経営によって高い収益性を生み出すだけではなく若い酪農家を支援する仕組みがあることで持続可能な後継者づくりに成功しています。

持続可能な後継者づくり

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