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マオリを含むマレー・ポリネシア人は台湾東部の先住民アミ族と遺伝的つながりがあることが研究によって示唆されています。また両者には歌、言語、マラエの構造、モコ(タトゥー)など文化的な類似点もあります。NZから9千kmも離れた台湾にマオリ族のルーツがあることが明らかになろうとしています。

台湾にマオリ族のルーツ

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太平洋諸島の先住民は天体、海流、波浪、生物相、風向を観測し洋上での現在位置と方向を推測する航海技術を発達させました。当時を再現するため釘を使わずローブで部材を繋ぎ合わせて造った双胴船(ホクレア号)が1976年に計器を使わず風を動力として約4千kmの航海に成功。伝統航海術を蘇らせました。

計器なしの航海術

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土地や漁場を巡る争いや入植者の犯罪に頭を悩ませていたマオリ族は英国とワイタンギ条約を結びます。この条約は翻訳に問題があり双方の解釈に違いが生じました。例えば土地を売れる相手は英国のみとした英文はマオリ語では英国王に土地を買う権利を与えると訳されました。条文解釈の争いは現在も続いています。

解釈が異なった条約

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マオリ族にとってターモコは自らのアイデンティティを表現するものです。模様にはファカパパ(祖先)や個人の歴史が反映され昔は社会的地位や知識、技能、婚姻資格などを示す重要な記号として機能しました。頭は体の中で最も神聖な部分とされ男性が顔に入れるタトゥー(マタオラ)は高貴さの象徴とされています。

ターモコ(タトゥー)の意味

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マオリ族の祖先は千年ほど前「ハワイキ」という島からカヌーに乗り海を渡ってきたと言い伝えられています。ハワイキには神々が住んでいると信じられ死後の魂が向かう場所ともされています。ハワイキの実際の場所は確認されておらず実在する島なのか、神話上の場所なのかは不明です。

伝説の島、ハワイキ

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マオリとは渡来した西洋人(パケハ)と自らを区別するための言葉で”普通”という意味です。当初タンガタマオリという呼称でしたが英国人が発音しにくいとの理由でタンガタ(=人間)が省かれマオリとなったのが由来とされます。本来、自然を崇拝するマオリ族は自らをカイティアキタンガ(自然の守り主)と呼びます。

マオリの意味は普通

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マオリ族に土地所有という概念がなかったことを利用し英国人はマオリを騙して土地を奪っていきました。ワイタンギ条約の取り決めはおざなりになりマオリと白人との間で戦争が勃発。マオリの土地を守るための自衛戦争は反乱民のレッテルを貼られた上、先祖伝来の土地を英国に没収される結果に終わりました。

マオリ戦争の結末

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NZ国内でマオリであることを自認する人は約77万人(総人口の16%)。その内4割以上は欧州人とマオリ、両方の民族であると識別され混血が進んでいます。純粋なマオリの血を引く人となるとは非常に少ないと言われ、2017年にマオリのDNAのみを持つ女性が見つかった時はニュースで取り上げられたほどです。

純粋なマオリは少ない

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クペ(ポリネシア人の探検者)がNZを発見後、ワカ・ホウルア(カヌーの艦隊)が移民船としてハワイキとの間を往復したと言われます。今日でも各部族(イウィ)の家系(ファカパパ)は移民船にまで遡ることができタイヌイ、テ・アラワ、マタアトゥア、クラハウポ、トコマル、アオテア、タカティムの7隻が知られています。 

7隻の艦隊で渡来

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土地を巡り入植者とマオリ族との間で抗争が起こった際、各部族が結束して白人に抵抗するため王様が擁立されました。初代王はワイカト族の首長ポタタウ。以来、その子孫が王位を継承しています。なお、マオリ王の地位は国家の公認は得られていませんがマオリ族の中では大きな権威を持ちます。

マオリの王様

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マオリコミュニティで重要な役割を果たすのがマラエ(集会所とその前の空間)です。冠婚葬祭、部族行事、民族教育の場、会議など様々な用途で利用されます。オークランド大学内にもマラエがあり新人職員の歓迎式等に使われるそうです。訪問者がマラエに入ったり写真を撮影する際は許可が必要です。

マラエの役割

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マオリ族にとってマタリキは一年の始まりを意味し家族や親戚で集まって先祖を偲び食事や歌でお祝いをします。日本のお正月に似た風習といえますね。マタリキはNZの祝日で昴(プレアデス星団)が北東の空に昇る一年で最も寒い時期(6月〜7月)に定められ毎年日付は異なります。2024年は6月28日です。

マタリキがお正月

NZの先住民といえばマオリ族。彼らの歴史や文化を知ることでニュージーランドのことをより深く理解できる。
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