【体験談】NZの病院はなぜ無料なのか?しっかりした財源と徹底したコストカットの裏側
- キオラ!ロトルア
- 5月26日
- 読了時間: 4分
更新日:5月31日
『IRD(税務局)へ確定申告書類の提出が終わりました』
と、会計士さんから連絡が。
ほっとしたのも束の間。
今年度も頑張らなくては、と気合いが入ります。
そしてふと、NZの税金の使い道のことを考えたりしました。
以前、お世話になったロトルア病院での治療費は無料。
税金でまかなわれているはずですが、いったいどうやって?
ちょっと気になりますね…。
入院費が無料ということを知らなかった過去
ワタシは以前、手術をするためにロトルアの病院に入院したことがあります。

退院する際に治療費や入院代を払おうとしますが、精算する場所が見当たりません。
看護師さんに、
『支払いはどこですれば良いのですか?』
と尋ねると、
『あなたはかからないわよ』
当時は公立病院での医療費が原則無料であることを知らなかったので、とても驚いた記憶があります。
その後、夫も同じ病院で手術をし、ワタシより長い入院となりましたが、やはり支払いはありませんでした。

日本で同様の病気で入院すると、健康保険で3割負担が適用されても10万円〜20万円弱はかかるそうです。

それが無料になるのは、とてもありがたいと感じた一方で、この費用はどうやって捻出しているの?
ひょっとして国が借金をしてまかなっているのでしょうか?
財源を調べてみました。
ガッチリとって、しっかり財源に
医療費の財源は、国民が納める所得税と消費税です。
NZには日本の基礎控除のような非課税枠はなく、
アルバイトでも、1ドルの収入から10.5%〜の所得税が発生します。
また、NZの所得税率は、年収$53,500までは17.5%なのですが、
$53,501からは税率が一気に30%へ跳ね上がります。

フルタイムで働く人の年収(中央値)は、$65,000〜$70,000。
なので、現役世代の多くに、30%以上の所得税が課せられている状況です。
一方、日本のフルタイム労働者の年収(中央値)は400万円台前半。

表に当てはめると、標準的な年収の場合、所得税率は20%...?
そうではありません。
日本には所得に対して様々な控除枠があり、課税所得は引き下げられます。
そのため多くの場合、所得税率は10%以下になるのです。
日本から来ると、NZの所得税はちょっときつい...
そう感じる人は少なくないかもしれません。
そして、もう一つの財源となる消費税(GST)。
日本では高市首相が食料品の消費税率を引き下げようと努力されています。

ただ、すでに食料品の消費税率は通常より低い8%に”軽減”されており、
ここから"1%"へ下げるのが日本政府の目標です。
一方、NZには日本のような軽減税率はありません。
物価高になろうが、ほぼ全ての商品、サービスに15%の税金がかかります。
「控除なしの所得税+軽減なしの消費税」
この強力タッグがNZの医療費の財源となり、国民の健康維持を支えているわけです。
怪我の治療は別サイフ
病気の治療費は国の医療予算から出ますが、怪我の治療費やリハビリ費を負担するのは、
『ACCという独立した組織』
ACCの財源は、現役世代の給与から天引き、または徴収される労災保険料や、車の登録料、ガソリン税などから独自に集められています。
医療現場にかかる膨大なコストのうち、
『怪我・事故』
この部分を別サイフ(ACC)に完全に丸投げできるため、本来の医療予算が圧迫されずに済んでいるのです。

そして、医療費でもう一つ忘れていけないのは薬代です。
国は製薬会社に対して
『NZ全土の市場をあげるから、その代わり世界最安値で売ってくれ』
と強烈な価格交渉を行います。
これにより、公立病院で使われる薬や処方箋の薬を安値で仕入れ、
国が負担する薬代の総額を低く抑えているのです。
夫が退院した際、痛み止めや抗生物質などの薬を、たしか1週間分ほど処方されました。
結構な量になりましたが、薬局で支払ったのはわずか$5(約470円)...。

薬代の安さの裏に国の懸命な努力があったことを、いまようやく理解しました。
まとめ
シンプルな税システムと、徹底したコストカットで莫大な医療費を税金でまかなっているNZ。
公的医療は原則無料ですが、かかりつけ医(GP)の診察代や、成人の歯科治療、理学療法などは基本的に有料(一部補助あり)です。
歯の治療代はびっくりするほど高いので、歯医者を予約するのは勇気がいります。
多くの場合、NZで歯を治すより日本に一時帰国した際に実費で治す方が、
治療費をだいぶ抑えられるのはよく知られた事実です。
また、無料の公的医療には順番待ちという問題もあり、バラ色の世界でもありません。
それでも病気になったら国が支えてくれるという安心感を国民が抱いているのは確かです。
大袈裟かもしれませんが、命を助けてもらった恩返しもあります。
微力ながら納税、頑張ります。
最後までお読みいただきありがとうございました。







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