宇宙ロケットの打ち上げがNZの次世代産業に
(画像: Rocket lab)
緑が広がる牧歌的なイメージのニュージーランドで、世界最先端の科学技術をもちいた新たな産業が生まれています。
人工衛星を宇宙軌道に乗せれらるロケットを開発している民間企業『ロケットラボ社』は、2018年に三度の打ち上げに成功。
今年の打ち上げはすでに5回成功し、今月25日に6度目の打ち上げを予定しています。
かつては国家主導で行われていた宇宙開発ですが、ロケットの打ち上げコストが下がったことで民間企業が参入するようになりました。
コストが下がったと言ってもわかりにくいと思いますので、例を挙げてみます。
日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げるH2Aロケット。
その開発には2000億円がかかっており、打ち上げ費用は100億円/回と言われます。
コストが大幅に低くなる次世代ロケットH3型が開発されましたが、それでも打ち上げ費用は50億円/回です。
一方、NZに拠点をもつロケットラボ社が開発したロケット『エレクトロン』の打ち上げ費用はたったの490万米ドル(約5億円)。
もちろんH2AやH3ロケットとは規模が違うので単純比較はできません。
しかし、画期的なコストでロケットを飛ばし、小型衛星を宇宙軌道に乗せられることを証明したのです。
ロケットラボの創業者であり、最高経営責任者であるピーター・ベック氏は南島のインバカーギル出身。
ロケットラボ本社はケネディ宇宙センターもある米国フロリダ州にありますが、エレクトロンの大部分はニュージーランドで製造されています。
NZの宇宙関連産業がもたらす経済効果は16.9億ドル(約1200億円)規模となり、今後の伸び代を考えると大きな飛躍が期待できるかもしれません。
ちなみにロケットラボ社の打ち上げ施設はロトルアから南東に位置するマヒア半島にあります。
遠くからでも良いので一度、ロケットの打ち上げを見てみたいな、なんて思っています。
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