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「ペットで猫を飼えなくなる」ってホントなの!?NZの環境保護団体が世界に伝えるメッセージとは!


日本では、ペットとして犬よりも「猫を飼う人が増えている」というニュースを以前見たことがあります。

一般社団法人ペットフード協会の調べで、ペットとして飼われている猫の数は953万匹。

一方、犬は892万匹で、猫が犬を上回っているそうです。


猫はしつけと散歩の点で犬より負担が軽く、マンションに住む人が増えている等、日本人のライフスタイルの変化にもあっていることが、増えている理由の1つに挙げられています。

ニュージーランドの南端に、遠い昔「ゴールドラッシュ」で繁栄したインバカーギルという街があります。


そのオマウイ地区で実施されるかもしれない「猫に関するある計画」が、いま世界から注目を浴びています。

それは「飼い猫禁止計画」です。

環境保護団体、Environment Southlandが提案している政策で、仮に実行されれば、飼っている猫が死んだ後、オマウイの住民は新たに猫を飼うことはできません。

猫好きの方には、とても理不尽な計画だと感じられるかもしれませんね。

しかし、この計画が作られた背景には、多くの昆虫や爬虫類、鳥や哺乳類が猫によって殺されてしまっているという現実があります。

ニュージーランドでは、猫を飼っている家庭はとても多く、基本的に「猫の外出」は自由にさせています。

野良猫や自由に出歩く飼い猫が、自然の生態系に及ぼす影響は、すでに見過ごせるレベルではないようで、歯止めをかける必要があります。

環境保護の研究者によると、猫は「世界で最も侵襲性が高い動物」の1つに数えられており、猫によって絶滅した動物は世界で63種にも上っているとのこと。


NZの国鳥「キウイバード」にとっても猫は「天敵の1つ」で、保護活動がなければ絶滅の危機から逃れられません。

NZにはキウイバード意外にも「タカヘ、ウェカ、カカポ」などの固有の鳥たちが住んでいますが、彼らはキウイ同様、飛ぶことができません。

人間が持ち込んだ外来哺乳類がいる生態系の中では、弱者の彼らが生き延びることは厳しく、個体数は減少の一途をたどっています。

隣国のオーストラリアでもこの状況は同じようで、猫によって殺されている在来種の動物たちは年間何百万にも上り、その対策に追われています。

各自治体は、夜は猫を家の外に出さない、去勢の義務付け、猫を飼える数を制限するなどの対策を打ち出し、中には野良猫に「懸賞金」をかけるなど過激な自治体もあるほどです。

こうしたニュースを見ると、猫が一方的に「悪者」にされているように思えてなりません。

今回の計画に含まれている猫以外の駆除対象の動物(クマネズミ、オコジョ、ポッサムなど)がニュージーランドに住み着いた原因の大元は「人間」です。


ニュージーランドにおよそ3000万匹は生息していると言われるポッサム

動物たちが話せるとしたら人間こそが「害獣」だと言うに違いないでしょう。

そうは言っても仕方ありませんので、いま人間が果たせる役割は、自然の生態系をバランスよく維持させることです。

実は、ペットとして猫を飼う人が増えている傾向は、世界中で広がっています。

世界でも最もペットの数が多いアメリカでも、猫が犬を上回っており、その数はおよそ7400万匹と桁外れです。

今回の計画は賛否両論ありますが、世界中のペット愛好家たちに問題を提起したという点でも大きな意義があります。

仮に人間がペットをちゃんと管理し、増えすぎた外来動物を駆除できれば、キウイバード専用保護施設は必要なくなる日が来るかもしれません。

ロトルアのレインボースプリングスでは、キウイバードの保護と人工孵化の取り組みを行う専用施設を見学することができます。


レインボースプリングスで人工孵化したキウイバード

また、夜間の営業時間中に、キウイバードが餌を探し回る様子を柵越しで(ガラス越しではなく生で)見る貴重な体験ができますので、日中利用された入場券は捨てずにお持ちください。

当社では、レインボースプリングスを訪れるツアーも催行しております。

キウイバードだけではなくNZ固有の貴重な鳥や生きた化石と呼ばれる爬虫類なども見学できますのでぜひお気軽にお問い合わせください。



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