住宅価格が高騰していてもNZ人が家を買いたい理由ってなに?
ニュージーランド議会は、外国人による中古住宅の購入を禁止する法律を可決しました。
この法律が施行されると外国人バイヤーによる投資目的の中古不動産購入はできなくなります。
ニュージーランドではここ数年全国的に住宅価格が高騰しており、地方都市のロトルアでも5〜6年前と比較して、価格が2倍以上になっている住宅も珍しくありません。
住宅価格が上がっているのは、需要が供給を上回る状態が続いているためです。
他の先進国やアジア諸国などでも不動産価格が上昇している国は多く、不動産価格が下がり続けている日本は「例外?」なのかもしれません。
最大都市オークランドの住宅価格(中央値)は、2013年頃は50万ドル台でしたが、現在はおよそ90万ドルと、5年で57%も上昇しました。
出典:Trade me Property
日本の方にこの話をすると「NZ人は高所得者が多いのですか?」と聞かれますが、そんなことはありません。
価格が高くて家を買えない人々が急増したため、政府も住宅対策に本腰を入れ始めており、前述の外国人投資家を締め出す法律もその一環です。
もともとニュージーランドは「住宅所有率が高い国」として知られています。
90年代には約73%に達した住宅所有率は、現在、約63%と10ポイントも下がっております。
この背景に住宅価格の高騰が影響を及ぼしている可能性は否定できません。
NZ人は人生の中で「家の住み替え」を繰り返していきます。
20代:夫婦二人で暮らせる小さな家
30代〜50代:子供部屋もある大きな家
60代〜:子供部屋が必要なくなるので小さな家
老後:自宅を相続または売却→老人ホーム
必要となる家のサイズが変わるため、住み替えのたびに自宅を売却します(もしくは賃貸用として貸出す人もいます)。
長く住み続けている間に不動産価値が上がり、買った時より高く売れることの方が多くなります。
売却益は「ローンの返済」や「次の家を買う資金」等に使うことができます。
また、現行法では、自宅に2年以上住んでから売却すれば、売却益に対する税金もかかりません。
住宅を所有することは「将来の保障」になるので、NZ人の人生設計上とても大切なことなのです。
もちろん一生同じ家に住み続ける人もおりますが、将来売却することを考えて住んでいる人の方が圧倒的に多いと思います。
高く売るためには手入れが重要、ということで「DIY」はNZ人にとってライフワークと言っていいほど定着しています。
実際、築50年なんて家は「古い部類」にはとても入りませんし、築100年以上の住宅でもロケーションがよく手入れが行き届いていると高値で売買されています。
小さな島国のニュージーランドには、日本にたくさんあるような「製造業の企業」は少なく、食べ物以外の多くの品物を「輸入」に頼らざるを得ません。
そのためか昔から物を大切にする文化が息づいています。
昔、ホームステイさせていただいたお宅のジョンさんは、高齢にもかかわらず家のペンキ塗りのような大変な作業でも自分でやっていました。
NZ人にとって家は、住む以上の価値がある「宝物」なのかもしれません。
「宝物は引っ越し先へも持っていきたい」ということで、この国では家をそのまま車で運ぶ、という引越し方法があります。
道路の交通量が多い日本ではちょっと考えられない引越方法で、たまに私も見かけたりします。
これからクリスマスに向けてNZでは引越しが徐々に増えていきます。
オークランドからロトルアまでは、車で移動される方も多いかと思いますが、タイミングが良ければ道中、家の引越をご覧になれるかもしれません。
当社ではオークランド〜ロトルア間のプライベートシャトルサービスも行なっております。お気軽にお問い合わせください。