海外で売られるNZ産食品がNZ国内より安い!?
ニュージーランドの食品価格は世界の先進国(OECD諸国)の中で六番目に高く、食品価格指数は前年比+12.5%も上昇しています。
さらに驚いたのはイギリスで売れられているNZ産の玉ねぎの価格がNZ国内のスーパーより安いこと。
英国 NZ$2.05/kg(1ポンド)
NZ NZ$2.99/kg
玉ねぎ以外にもラムの挽肉なども逆転現象を起こしていて、チーズに至っては同じブランドで$10も海外の方が安いなんてことがあるようです。
一体、なぜこんなことが起きているのでしょうか。
理由はいくつかあるようです。
①消費税の減免措置がない
メキシコ、英国、オーストラリア、カナダ、アイルランドなどでは特定の食料品に税金を適用していません。
また、ヨーロッパの多くの国では一部の食品に割引率が適用され、日本でも肉、野菜、魚、牛乳、果物などは軽減税率(10%▶️8%)が適用されています。
一方、ニュージーランドではすべての食品にGST(消費税15%)がかけれるため、上記の国々と比べると割高になりがちです。
②物流の効率性が良くない
ニュージーランドの人口は500万人あまり。それでいて国土はそれなりに広く日本の3/4ほどある国です。
人口密度が高い地域はわずかで、それ以外は小さな町や村が点在しています。
スーパーを全国展開するには各地域に物流センターが必要となるのですが、そのコスト(保管費・輸送費・包装費・事務や作業などの人件費等)は決して安くありません。
配送量が少なければ、その分、1商品あたりのコストが高くなってしまいます。
③健全な競争がない
他国ではスーパーを運営する企業数は多いため、競争によって価格が引き下げられることがあります。
日本でしたら様々な企業や組織がスーパーを運営しており、また、スーパー以外にもドラッグストアやコンビニ、道の駅などでも食品を取り扱っています。
<日本のスーパーの種類>
・大手チェーン型スーパー
・地域密着型スーパー
・激安スーパー
・高品質スーパー
・生協 etc
それに対し、NZのスーパーはオーストラリアのウールワースと国内のフードスタッフの寡占状態です。
中華系のスーパーや小規模の小売店などもありますが、大手に対抗するほどの力はなく健全な競争が行われているとは言えません。
新規参入するにも市場は小さく、しかも寡占で大きな利益を上げている上の2社に対抗するのは大変です。
NZ政府も好ましくない状況であると把握していますが、具体的な解決策を打ち出すまでには至っていません。
当面、ニュージーランドの食品価格は高どまりする可能性は高く、私たち消費者は我慢を強いられそうです。
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