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移民の急激な増加と家賃への影響

更新日:2023年5月15日




日本ほどではありませんが、NZも高齢化社会への道を歩んでおり出生率は1.61人。


人口維持には出生率は2.06-2.07が必要と言われますので、自然に任せれば人口は減っていく計算になります。


では、NZの人口推移はどうなっているのでしょうか?


( NZの人口推移 1991-2022 / Stats NZ)



30年前、348万人だった人口は右肩上がりに増え続け、現在515万人(1.48倍)にまで増加。


出生率が低いのに人口が増える。その理由は移民の受け入れです。


しかし、海外から移民を受け入れても、国内の人が海外に出て行ってしまえば人口は増えません。


差し引きしてプラスになると人口増に寄与するわけですが、年間どのくらい増えているのでしょうか。


直近1年間のデータでは、


NZに入ってくる人ーNZから出て行く人=65,400


総人口が500万人余り(福岡県と同程度)の国であることを考えると、著しい増え方です。


新型コロナが流行し、ワクチン接種が進んでいない期間にNZは厳しい入国制限を設けていました。


しかし、コロナ禍が落ち着き国境を解放すると、再び海外から多くの人々がやってくるようになります。


また、労働力不足を補うため労働ビザや永住ビザなどの要件が緩和されたことも、移民が増えた要因の1つになっています。


長期的に見れば人口増加は経済に良い効果を与えます。


一方で、急激な人口増加には弊害もあり、その1つが住宅不足です。


実際、賃貸住宅の数が足りていないことで、家賃の上昇を引き起こしています。


最大都市オークランドの平均家賃は過去1年で3.24%上昇し、週$624(約52,000円)。


月あたりで計算すると、$2,700(約227,000円)です。



(オークランド中心部の家賃上昇を伝えるローカルニュース)



NZ政府は公営住宅の建設を進めていますが、土地の確保をはじめ水道・電気・道路の整備など、家を建てる前にも相当な時間がかかります。


また、民間部門でも労働賃金や部材価格、金利など建設コストが上昇していることで、安価で良質な住宅を建てることは難しいのが実情です。


経済が減速するにつれ移民の流入は緩和されてくると予測されています。


しかし、根本的に賃貸住宅の供給が十分に増えなければ、家賃相場は今後も上昇していくことが容易に想像できます。


賃貸不足は大都市のオークランドに限ったことではなく、ロトルアのような地方の街でも状況は似たり寄ったりです。


住宅を借りて長期滞在をお考えの方は、事前に現地の賃貸状況をよく調べられることをおすすめします。



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