日本とNZ、将来どっちが安心?若年世代は年金に頼らない準備が必要!
(おことわり)
今回の記事は、観光や旅行と関係がありませんので興味のない方は読み飛ばしてください。
移住後に改めて感じる母のありがたみ
実家に、ある青い色の封筒が届いたと母から連絡がありました。
NZに移住して間もないため、私たち夫婦に届く手紙や書類がまだ色々とあります。
郵便の受取住所を私の実家にしているのは、スマホを使って母と連絡が取りやすいのが理由です。
母のスマホ歴は3年。LINEでのやりとりがスムーズにでき、次々に新しいスタンプを送ってきます。
郵便が届くとすぐに連絡をくれ、必要な場合には写真を撮って画像を送信。
私にとって母は、精神的な支えであり、生活面のサポートまでしてくれる本当にありがたい存在です。
届いた封書の中身は「特別催告状」
さて、今回届いた封筒の書類は役所からだったので、念のため画像を送ってもらいました。
その書類には大きく「特別催告状」と書かれてあり、文面を読むと国民年金が未納の場合に届く書類であることがわかります。
国民年金未納連絡の封筒カラーは、青→黄→赤と、信号のように変わるらしく、今回は青。
特別催告状という名前にはドキッとさせられますが「忘れてませんか?」という段階の連絡だそうです。
手続きを忘れてしまっていたことが原因
私の主人が日本で勤めていた会社を退職を申し出た時点で、有給休暇がフルに残っていました。
通常、会社を退職した後は、国民年金に切り替える必要があります。
しかし、有給休暇の消化期間中(厚生年金加入期間中)にNZへ渡航したため、役所での手続きができなかったのです。
すぐに日本の市役所に電話をし、年金担当の方に上記の事情を説明。
日本の国民年金納付は休止することができました。
NZの年金受給には掛け金が必要ない
日本で働いていた頃、同僚にNZ移住後の年金加入について尋ねられたことがあります。
ニュージーランドの年金制度はとてもシンプルで、日本の年金のような加入手続きはありません。
年金を受給するには下記の資格を全て満たしていればよく、所管している役所(Work and Income)のホームページからオンラインで申請できます。
=NZ年金受給資格=
・年齢が65歳以上であること ・20歳以降、10年以上ニュージーランドに住んでいること
・50歳以降、5年以上ニュージーランドに住んでいること
・NZ国籍、永住ビザを保有し、申請時にニュージーランドに住んでいること
この説明をして日本の同僚が驚いたのは、上の条件に掛け金が入っていないことでした。
日本の年金は3階建てと呼ばれ、職業や勤める会社によって加入する年金の種類が異なります。
ただ、共通しているのは、受給するために必ず掛け金が必要なことです。
自分がいくら年金をもらえるかわかりますか?
さらに、納付した金額や期間、受給開始年齢によって支給額が変わるので、自分が将来いくら年金をもらえるのかを正確にわかる人は、あまりいないのではないでしょうか。
NZの場合は、独身かカップルかで支給額が異なり、また各条件によって多少金額は変動しますが、おおよそいくら年金をもらえるかがわかるようになっています。
=支給額:独身=
2週間あたり$740.06〜$801.74
=支給金額変動条件=
・扶養義務のある子供がいるか
・同居の成人家族がいるか
・他に収入があるか
=支給額:カップル=
2週間あたり$616.72/名
=支給金額変動条件=
海外から年金受給している場合
(参考:Work and Income)
仮に1ヶ月を4週(28日)、為替レートを75円で計算すると、月あたりのNZ年金は日本円で、独身が約11〜12万円、カップルは約18.5万円となります。
厚生労働省の報告書(平成28年度)によると、国民年金の平均支給額は、月額5万5千円、厚生年金は月額14万7千円です。
掛け金を納めずとも支給されるNZの年金は、日本の年金と比較するとそれなりの額に感じます。
ただ、実際この年金だけで生活するのは大変ですので、65歳以降も働いて収入を得たり、貯金などの蓄えに頼っているNZ人が多いと思います。
年金支給条件は変更されるので注意
日本の財務省は、年金支給開始年齢を65歳から68歳への引き上げを検討しており、そのターゲットになっているのは団塊ジュニア世代(1971年〜1974年生まれ)です。
日本では高齢化などにより社会保障費が膨らみ続けており、財政を圧迫しています。
そのため、数が多い団塊ジュニア世代への年金支給が開始される前に、支給年齢を引き上げることはほぼ間違いありません。
NZでも高齢化と年金財政については政府が問題視しており、2040年以降は年金受給資格は以下のように変更されることが昨年発表されました。
=年金受給資格の変更点(2040年以降)=
・年金支給年齢が65歳から67歳へ変更
・NZ居住歴を10年から20年へ変更
この変更によって影響を受けるのは、1972年7月1日以降に生まれた人たちで、日本の団塊ジュニア世代とかぶっています。
日本・NZどちらの国で生活していても、40代半ばから下の世代は、年金にあまり頼らなくても生活できる収入源を今のうちから作っておく必要がありそうです。
次回はその対策として、NZで2007年から開始された任意の年金保険制度、キウイセーバーについて書きたいと思います。